どのミルクがベスト?
Which milk is best?

Food & Nutrition


This article is written in Japanese only, so please check the sources of it below.
Which type of milk is best for you? – TED-Ed
Which milk is best? Almond, hemp, oat, soy, or cow’s milk – Medical News Today

牛乳と植物性ミルク

皆さんはいつもどの乳製品を選んでいますか?

いつも同じブランドの製品を選ぶか、その日の気分によって変えるか、人によってさまざまだと思います。スーパーに行くと、どれを買ったらよいか分からないほど様々な乳製品が売っています。今回は、牛乳と植物性ミルクについて比較してみましょう。

一般的に流通し馴染みがあるのは、牛乳、アーモンドミルク、豆乳、オーツミルクなどでしょう。

植物性ミルクは、浸漬後に水切りし、洗浄して硬めのペースト状に攪拌するか、乾燥し粉状に撹拌します。その後、ペーストや粉にビタミンやミネラルを添加したり、飲みやすいよう風味付けをしたりし水で希釈します。

250mlの牛乳に含まれる栄養量は、

  • たんぱく質 8g
  • 炭水化物 12g
  • 脂質 2.8g(スキムミルク(脱脂粉乳)2.37g、 加工乳(成分調整牛乳)4.83g 、全乳(普通牛乳)7.93g)

日本では一般的に乳脂肪分や無脂乳固形分をパーセンテージで表記します。

成人が一般的に必要な1日の栄養量は、

  • たんぱく質 13-20%エネルギー(体重60㎏の健常人は約70g)
  • 炭水化物 約50-60%エネルギー(体重60㎏の健常人は約250g)
  • 脂質 20-30%エネルギー(体重60㎏の健常人は約50g)

参照:日本人の食事摂取基準(2020年)
※年齢や性別によって多少異なります

栄養量の比較

植物性ミルクに含まれる炭水化物や脂質は、牛乳よりも少ないうえに良質な脂質といわれています。

牛乳はビタミンDやカルシウムを豊富に含む一方、ほとんどの植物性ミルクはこれらの栄養素を自然な状態で含まないため、栄養強化目的に添加されています。フレーバーが豊富で、栄養量が製品によって異なることもあります。

アーモンドミルクとオーツミルクは、牛乳に比べてたんぱく質が少ないです。さらに、アーモンドミルクは4種類(牛乳、アーモンドミルク、豆乳、オーツミルク)の中で最も栄養が少ないとされています。

オーツミルクは健康的な食物繊維のβグルカンが豊富で、他の植物性ミルクと比べると自然に含まれる炭水化物も多く、牛乳と同等の製品もあります。

豆乳のたんぱく質量は牛乳と同等であり、カリウムのよい供給源です。大豆自体には、女性ホルモン「エストロゲン」と構造が似ているとされるイソフラボンが豊富ですが、大豆イソフラボンは、一般的に豆乳にする過程で減少します。

豆乳摂取によるイソフラボンの体への影響は、エストロゲンよりも弱いです。

どのミルクが最も適切?

乳糖不耐症への適正を考えると植物性ミルクが優勢でしょう。乳糖不耐症は、3歳以下の子供の2-5%に出現するといわれています。

しかし、ナッツアレルギーにはアーモンドミルクは不適です。また、セリアック病(小麦や大麦、ライ麦に含まれるたんぱく質のグルテンに対する遺伝性の不耐症)にはオーツミルクは不適です。

貧困や文化などの社会的背景から幅広く豊かな食事へのアクセスが困難な人にとっては、牛乳が栄養摂取に最も効果的かもしれません。

どの乳製品もバランスのよい食事の一部として取り入れるには栄養的に十分といえるでしょう。

近年の環境保護や動物愛護の観点では、人間に最も適切な製品は、環境にも最も適切な製品であるべきという考え方も広まっています。

どの乳製品が最も少ない資源で作られ、汚染が少ない?

グラス1杯の牛乳を生産するには、4平方キロメートルの土地が必要であり、森林破壊と生息地の破壊を伴います。土地のほとんどは牛の飼育場として使われ、あとは牛のエサを育てるために使われます。

牛のエサは、たいてい大豆やオーツ麦です。植物性ミルクとなるオーツ麦や大豆の栽培のための土地は、牛のエサのための土地より小さくて済みます。グラス1杯のミルクあたり約1平方キロメートルしか必要としません。

大豆生産は森林破壊をして土地を確保しますが、オーツ麦やアーモンドは異なり環境保護にはよい面があります。

また、どの乳製品の生産にもあらゆる段階でが必要ですが、農耕地で大きな差が出ます。

牛乳は4種類の乳製品の中で最も水を使い、グラス1杯の牛乳あたり120Lの水を要します。牛の飲み水やエサを育てる際の水やりなどに使用されます。

2番目に水を多く必要とするのがアーモンドミルクで、グラス1杯のミルクあたり70Lの水を要します。

ほとんどの水はアーモンドの木を育てる過程で必要とされます。アーモンドが実るまで何年も水やりが必要で、途切れなく水を与えないと木が死んでしまいます。

大豆とオーツは最も少ない水を要し、グラス1杯のミルクあたり5-10Lです。

乳製品の生産には温室効果ガスの排出が伴います。植物性ミルクの材料の収穫にはグラス1杯のミルクあたり1-2㎏の排気ガスが出される

牛乳の場合、牛の便やおならなどのメタンガスの排出のみで、グラス1杯の牛乳あたり500gです。

温暖化の影響として牛のメタンガスが大きく取り上げられていますが、植物性ミルクの生産の過程でも発生します。

体質や食事によってはどの乳製品も人間によく適合するでしょう。

しかし環境保護の観点では、オーツミルクや豆乳などの植物性ミルクを選ぶことは重要かもしれません。

現状から考えること

わたしの子供時代を振り返ると、牛乳は高栄養食品として給食や家庭に不可欠であり、牛乳を飲まない選択をする友達はいなかったように思います。

牛乳を避ける主な理由には乳糖不耐症がありますが、近年ではプラントベースミルク(植物性乳製品)が牛乳よりも持続可能で倫理的かつ健康的とする考え方が出てきています。

食の選択肢が増えることはよいですが、食品にはどれも特性があり、それは人の体質や嗜好によってメリットにもデメリットにもなり得ると思います。そのため、食品の一面を取り上げて、この食品はよくない、悪いと決めつけることはできません。

ひとりひとりがそれぞれに適した食品を選択することで、どの食品もまんべんなく流通し、まんべんなく生産・消費することが、人々の健康や食品ロス、環境保護、動物愛護など、さまざまな面でまんべんなく優しい循環になったらいいな、、、なんて思っています。

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